『Lady Generation』

(Episode 1)

淑女の世代


構想・打鍵:Zeke

 この作品はフィクションです。登場する人物、名称、土地、出来事等は実在するものではありません。
 また本作は(株)ELFの作品「同級生2」の作品世界を設定として使用しております。




  ドンッ!!

「絶っ対に許さないんだからっ!」
 思いっきりテーブルを叩くとコップの水が小さく揺らめいた。
 ここは如月町にあるスタジオ『ATARU』。もっともスタジオといいながら建物
の内部は多種多様でその名の通りスタジオから映画館、レストラン、喫茶店果ては遊
園地まで備えた何だかわからない建築物だ。
 そのスタジオ『ATARU』内にある喫茶店の一角に女の子三人が陣取っている。
 そのうちの二人はチェックのスカート、胸にはスカートと同じ柄のリボンが可愛い
八十八学園の制服を、もう一人は紺の制服に紺のスカートそして地味なグレーのタイ
を結んだ如月第一女子高等学校の制服を身に着けていた。
 華やかさの欠片もない制服だったがその娘の髪は頭の左右でお団子のように束ねら
れており、さらにそのお団子には大きなリボンが結わえ付けられている。そのお陰か
八十八学園の制服を身に着けた2人に負けない存在感を出していた。
 いま、テーブルを叩いたのはこの娘である。
「唯ちゃんの気持ちはわからなくもないけど‥‥。」
 その娘の真向かいに座るロングヘアーの女の子がストローでアイスコーヒーをかき
回しながら応じる。
「龍之介君だって心の底では唯ちゃんのことを心配していたと思うわ。」
「唯が生死の境を彷徨っているときに心の底の方なんかで心配してるのがまず許せな
 いよ。しかもそんなときに同じ部屋の女の子をナンパするなんて‥‥。」
 怒りの為かワナワナとふるえている

 【話に脈絡が無いと思われる方もいると思うが、とある事情で唯は生死の境を彷徨っ
  ていた事にして欲しい。
  元の話があるにはあるのだが、某パティオ内の話になるので、割愛させて貰う。】

「かわいい女の子とみれば見境がないからな、あいつは。」
「いずみちゃん、アオるようなこと言わないで。」
 友美が窘めるが、いずみと呼ばれたショートカットの男の子、いやいや女の子は続
ける。
「友美だってその場にいただろ、私が目の前にいるのに他の娘をナンパするなんて!」
 握りしめたコップが今にも砕けそうだ。
「私達よ、いずみちゃん」
 すかさず友美が訂正を求める。
「細かいこと気にするなよ」
「あら、大事なことだわ。で、唯ちゃんはどうしたいの?」
 ストローを弄んでいた手を止め唯に尋ねる
「今日の2時にこの上の映画館でデートするみたいだから‥‥」

「邪魔するのね」
 突然唯の背後から現れた人物がその言葉を引き継いだ。
 角度によっては金髪の様に見えるウェーブのかかった髪、顔は大きなサングラスで
隠されていたが、そこにいた3人にはそれが誰だかすぐに解った。
 が、その名を口に出すようなことはしない。そんなことをすればこの喫茶店がちょっ
としたパニックに陥ることが予想できたからだ。
 そう!  唯の背後に立っていたのは国民的アイドル舞島可憐だったのだ。
 可憐は素早く空いている唯の隣に腰をかけ、サングラスを外す。
「どうしたの? こんなところで」
 不思議そうな顔で唯が尋ねる。
「上のスタジオで収録があったんだけど早めに切り上がったんでちょっと休憩をね、
 そしたらあなた達がいたって訳。それより龍之介君がナンパした女の子とデートす
 るんですって? ひどいわ、私というものがありながら‥‥。」
 両手を胸の前に組み芝居がかった口調で嘆く可憐。
「そう思うんだったらあいつに愛想尽かしてくれ。ライバルが減って私は嬉しいぞ。」
 と、いずみ
「冗談はよしこ先生。わたしは龍之介君の為だったら芸能界を引退したっていいと思っ
 ているんだから。」
 握り拳で力説する可憐。だがいずみも負けてはいない。
「わ、わたしだってあいつと一緒に居られるんだったら家を捨ててもいいと思ってる
 んだからな。」
 【芸能界引退と家出、どちらも穏やかでない話だ。もっともその後に続くのは大
  したことは無い様だが‥‥】
「なによ、わたしなんか龍之介君の為にコーラ500cc一気飲みできるわ。」
「私なんか青汁一気飲みだぞ。」
 【それはそれですごいと思うが‥‥2人共、それが龍之介の為になるのか?】

「で、具体的に何か案はあるの?」
 だんだん低レベル化してくる言い合いを横目に友美が唯に質す。
「う‥‥ん。最初はウェイトレスに変装して、水こぼしたりしようかと思ったんだけ
 ど‥‥」
「今一つインパクトに欠けるわ。それにそれじゃ余り効果がないわね‥‥ウェイトレ
 スに変装するんだったらもっといい方法があるわ。」
「どんなの?」
 身を乗り出す唯。
「注文を取りに2人の前に行くでしょ」
「うんうん」
「そのときに『今日の女の子はこの前の娘よりかわいいですね』って言ってあげるの。」
 【怖いぞ友美‥‥】
「ちょっと待て。私は人のデートを邪魔するような惨めな真似はしたく無いぞ。大体
 今日一日で2人の仲がそんなに進展するもんか。」
 いかにもいずみらしい意見だが、そのいずみの固い意志は次の唯の言葉でもろくも
崩れ去った。
「お兄ちゃん今日は晩御飯いらないって。」
「ば、晩御飯くらい一緒に食べたって‥‥。」
 反論するいずみ。だが、その声には力が無い。
「遅くなるから鍵締めて先に寝てていいって。」
「‥‥‥‥。」(いずみ)
「‥‥‥‥。」(友美)
「‥‥‥‥。」(可憐)
「可愛かったよね、あの娘‥‥。」
 今の状況を絵に描けば4人の頭に上に大きなフキダシが形成され、その中に肩を組
んでホテルの中に消えていく龍之介ほか一名が映し出されていることだろう。

 だんっ!!
 今度はいずみがテーブルを叩き声をあげる。
「断固阻止!!!」
 どうやら方針を180度変えたらしい。

            ☆            ☆

 へっくしょい!

 八十八駅前で一人の男の子が大きなくしゃみを1つ。言わずと知れた龍之介だ。
「うーん、きっと可愛い女の子が俺のことを噂しているんだな。」
 【ま、確かにかわいい娘達が噂をしていたのだが‥‥】
「ごめんなさい。待たせちゃったみたいね。」
 そんな龍之介の目の前にいつの間にか女の子が立っていた。栗色の髪を緩くウェー
ブさせ、その髪を前に持ってくるというちょっと変わったまとめ方がしてある。
「いや、大したことはないよ。5分くらいしか待ってないし。それに時間ぴったり
 だよ。」
「でも、ふつう女の子は待ち合わせ時間の5分前には待ち合わせ場所に来た方がい
 いんでしょう?」
  【くぅーっ! 可愛いぞ! どっかの誰かに聞かせたい。】
「そんな事されたら俺は更に5分前に来てなくちゃいけないよ。さっ行こ」
「うん‥‥あの、今日はどうするんだっけ。」
「このまま如月町へでて映画のつもりだけど桜子ちゃんが他に行きたい場所があれば
 そこにするよ。」
 もちろん胸ポケットに前売りのチケットが入っている、などという事は一言も言わ
ない。
「うん‥‥映画もいいんだけど、海‥‥見たいな。」

 【え? ちょっと待ってくれ、それじゃ話が繋がらないぞ。‥‥仕方がない、ここ
  は作者の特権で‥‥】

「海‥‥見たいな。と思ったけどやっぱり映画がいい。」
 【許してくれ桜子‥‥】
「‥‥映画でいいの??」
「うん。ごめんねコロコロ変わって。」
「いいよ別に。じゃ切符を買ってと‥‥」
 券売機に向かう龍之介。聞き覚えのある声で呼び止められたのはそのときである。
「龍之介君デートかしら?」
 彼が声のした方へ顔を向けると、今年新卒で八十八学園にやってきた現代国語の教
師、そして龍之介のクラスの担任である片桐美鈴(22歳)が後ろに立っていた。
「え、まぁそんなもんです。」
 美人教師には丁寧口調の龍之介。
 美鈴はそのまま龍之介に近づき彼の耳元に口を寄せる。
「学校の外だからってハメ外しちゃだめよ。それから‥‥」
 チラと桜子の方を見て
「泣かさないようにね」
 それだけ言うとウィンク一つ残して人混みの中へ消えて行った。

「今の人誰?」
 その様子を見ていた桜子が尋ねる。ちょっと詰問口調だ。
「ん?  担任の先生。」
 そんな口調を気にした風もなく答える龍之介。
「へぇー、きれいな人ね。」
「そう?」
「嬉しいでしょ、あんなに綺麗な先生が担任だと。」
「俺は今桜子ちゃんと一緒にいられることの方が何倍も嬉しいよ。」
 【「なんぱし」ここにありだな。】

            ☆            ☆  

 一方如月町の女の子4人はというと‥‥

「とりあえず順番に龍之介の前に出ていけばいいんだな。」
「そう、唯が最後にトドメを刺すから。」
 【はたで聞いているとモノ凄く物騒な話だな。】
「でもこんな単純な方法で防げるかしら?」
「大丈夫。私の過去の経験から行けば一番効果的だわ。他の女の子と親しげに話され
 るのはかなり来るモノがあるの。」
  【さすが友美。伊達に龍之介の幼なじみを16年もやっていないぞ。】
「そろそろ時間だから駅前に移動しよ。」
 唯の言葉に他の3人が頷き、やけに人影の少ない如月駅前へと移動を始めた。

            ☆            ☆  

 如月駅のホームに電車が滑り込みドアが開く。
 かなりの乗客がわらわらとホームに降り立ち階段へ殺到する。龍之介と桜子もその
流れに逆らうことなく階段を下り改札を抜けた。
  
「いた!」
 真っ先に声を上げたのは唯だ。
「じゃ、いずみちゃんお願いね。あくまでもさりげなく、いつもの調子で。」
「まかせとけ!」
 友美の言葉に胸を叩き、いずみは龍之介の方へ歩いてゆく。

                  ☆

「あ、龍之介。なにやってんだ。」
「なんだいずみか、デートしてんだから邪魔するなよ。」
「ふーん。」
 桜子の方を見てちょっと微笑む。
 【いずみ、さりげなくアピールだ。】


「今のは?」
 いずみが立ち去ると桜子が龍之介に尋ねる。
「今の? クラスメートだよ。」
「ふーん、可愛い娘ね。」
「あいつがぁ? 桜子ちゃんの方が何倍も可愛いよ。」
「いーのかなぁ、そんなこと言って。」
「いーのいーの。」

                  ☆

「唯! 後生だから離してくれ! あいつをぶん殴ってやらないと私の気が治まらな
 い。」
 龍之介の言葉に暴れるいずみ。それを唯が背後から羽交い締めにして必死に押さえ
る。
「いずみちゃん落ち着いて。ここで出てったら作戦がパーだよ。」
「うるさーい! このまま黙っていたら篠原家末代までの恥!」
 【先ほど家を捨ててもいいと言ったのは嘘だったのか?】
「友美ちゃん、鎮静剤!」
「無いわよそんなの。唯ちゃん私をなんだと思ってるのかしら。」
 【ドラッグマニアとはさすがに言えなかろう。】
 ‥‥そのとき
「唯ちゃんしっかり押さえてて!」
 どこから取り出したのか可憐が巨大なハンマーを振り上げ叫ぶ。
  バキッ!!
「‥‥きゅう」
「ふう、よく効く鎮静剤だわ。」
 気を失ったいずみを見下ろし可憐がつぶやく。
 【可憐ちゃん、それは鎮静効果じゃないような気が‥‥。】
「さっ、静かになったし水野さん次、お願いね。」

                  ☆

「こんにちは龍之介君。」
「なんだ友美か、相変わらず図書館通いか?」
「龍之介君はデート? いいなぁ今度私も誘ってね。」
 龍之介に微笑み、桜子に軽く会釈をする友美。2人の目が合い、瞬間火花が散った。


「ねえ、今の人は?」
「ああ、隣に住んでる幼なじみさ。」
「可愛いわね。」
「まあ‥‥ね。」
「制服が‥‥」
   ヒュオォォ‥‥‥‥‥

                  ☆

「ふふふ‥‥」
「と、友美ちゃん?」
「大丈夫よ唯ちゃん。そう、そうなの。私より制服の方が可愛いって言うのね‥‥
 可憐ちゃん、遠慮しないで徹底的にやっちゃって!」

                  ☆

「龍之介くーん! ‥‥あれ、もしかしてデートなの?」
「い、一緒に映画を見に行くだけだよ。」
 【‥‥】 
「うふふ、龍之介君にとって女の子と映画を見ることとデートすることは違うんだ。
 ‥‥そっかぁ映画を見に行くだけか。」    


「い、今の舞島可憐じゃない!」
「クラスメートなんだ。」
「いくらクラスメートだからってあの大スターが街中で声を掛けてくる?」
「暇だったんじゃない?」
「あの大スターが?」
「‥‥え、映画始まっちゃうから早く行こう。」
「あ、待ってよ。」
 慌てて龍之介の手を取る桜子。そしてそのまま自分の腕を龍之介の腕に絡ませる。
「デートよね?」
「え?」
「私たちデートしてるんでしょ?」
「う、うん。もちろんだよ」
「よかった」

                  ☆

「あ―――――!」
 腕を組んだ2人を見て唯と可憐が悲鳴をあげる。
「な、何か私たちの行動って裏目に出てない?」
 思わず友美に詰め寄る可憐。
「だ、大丈夫よ、あの行動は言ってみればロウソクの炎が消える前にほんの一瞬勢い
 が増すというアレと似た様なモノだわ。」
 【全然説得力が無いんだが‥‥】
「じゃあこのまま続けていいんだね。」
「ええ、お願いね。」
「もう唯ちゃんだけが頼りだから。」
 可憐と友美は拝むようにして唯を送り出した。

                  ☆

「お兄ちゃーん!」
「‥‥今日は厄日か。」
 呟く龍之介。
 【そんな事は無い。例え今日が大安吉日だとしても同じ現象が起こっただろう。】
「お兄ちゃんってば!」
 健気に呼びかける唯に桜子も気付いた。
「ねえ、妹さんじゃないの?」
 こう言われては立ち止まる他はない。
「()‥‥なんだよ唯、俺は忙しいんだぞ。」
「あ、もしかしてデート中だった? ‥‥邪魔してごめんね。唯はもう行くから。」
 踵を返そうとする唯、ホッとする龍之介。が、桜子は見逃さなかった。
「ちょっと待って! どうして妹さんが第一女子の制服を来ているの?」
(かかった!)内心唯はほくそ笑んだ。
「だって唯は第一女子の生徒だから‥‥。」
「そうじゃなくて、どうして高校一年生の龍之介君に高校生の妹がいるの?」
 ひきつる龍之介。で、出て来た言い訳が‥‥
「ふ、双子なんだ。」
「ぜんっぜん似てないわよ。」
 間髪入れずに桜子がツッコミを入れる。
「えと、あの‥‥おい唯、お前も何とか言え。」
「初めまして、鳴沢 唯です。」
 ここぞとばかりにトドメの自己紹介。
「ばっ、ばか!」
「‥‥どーして名字が違うのよ。」
「え、えーと‥‥そうだ! 腹ちがいの妹ってのはどうだろう?」
 【どーだろう? じゃねーよ。】

  バシッ!!
「うそつき!!!」

            ☆            ☆  

「う‥うーん」
「気が付いた? いずみちゃん。」
「私一体どうしたんだ?」頭を押さえながら上半身を起こす。
「‥‥そうだ! 龍之介は‥‥」
「唯ちゃんがやってくれたわ。この作戦が巧く行くことが証明できたわね。さっ私た
 ちも帰りましょ。」
「帰るのか? 折角如月町まで出て来たんだから遊んでいこうぜ。」
「ごめんね、ちょっと用事を思い出したの。また今度ね。」
「そういえば可憐はどうしたんだ?」
「さっきマネージャーの人が来て連れて行かれたわ。大変ね彼女も」
「国民的アイドルだからな、しょうがないよ。」
「じゃ、行くね。」
「ああ、月曜日に学校でな。」

            ☆            ☆  
 
「いって〜〜〜」
「大丈夫? お兄ちゃん。」
「大丈夫じゃない! 何で唯がここにいるんだ!」
「偶然だよ。アタルで買い物しようと思ってたんだ。お兄ちゃんは‥‥ナンパに失敗
 したんだね。」
「誰のせいだ!」
「かわいそう。せっかくの土曜日の午後なのに‥‥如月町でたった一人、おまけに前
 売りのチケットを買ったみたいだから無駄になっちゃうし。」
「‥‥なにが言いたいんだよ」
「唯が付き合ってあげてもいいよ。」
「チケット買い取ってくれるのか?」
「1枚だけならね。もちろんお兄ちゃんも一緒に見るんだよ。」
「‥‥くっ、仕方がない。つきあってやるか。」
「つきあってやる? ‥‥やめようかなぁ、買い取るの。」
「俺が悪かった‥‥唯と一緒に映画が見たい。これでいいのか?」
「最後は余計だよ。まあいいや、早く入ろうよ。」
「慌てんなよ、まだ上映時間まで間があるんだから。」

 その時だった。
「お〜い、唯。待たせたな。」
「い、いずみちゃん!?」
「なんだお前、いずみと約束してたのか?」
「え、唯は別に‥‥‥。」
「なんだよ、今日の2時に映画を見ようって言ったの唯だろ。」
「え? え?」
 話が見えない唯。
「なんだ。じゃあいずみもこのチケット買わないか? 余っちゃってさ。」
「2割引なら引き取るぞ。」
「ちぇ、しっかりしてらぁ。いいよ、2割引で。」
「さんきゅー」
「じゃ、まあ二人で楽しんでくれや。俺は他に行くから。」


「あ、おにいちゃ‥‥。」
「唯抜け駆けはずるいぞ。」
「な、なんのこと?」
「とぼけてもダメだ。ずっと見てたんだから。」
「う‥‥か、可憐ちゃんと友美ちゃんは?」
「可憐は忙しいからって先に帰ったし、友美は用事があるらしくて途中で別れた。」
「なんでいずみちゃんは帰らなかったの?」
「こうなることがわかってたから。さっ大人しく私につきあって貰うぞ。2割引とは
 いえチケットを買わされたんだから。」
「あーあ。」

            ☆            ☆ 

「あら、龍之介くん。デートじゃなかったの?」
「友美か。ちょっと邪魔が入ってな。」
「ふーん、じゃあもしかして暇なの? それなら私につきあってくれない?」
「なんかあるのか?」
「秋物の洋服を見たいの。どう?」
「かまわないよ、やることなくなっちまったし。しかしどうせなら水着を選ぶのを手
 伝いたかった。」
「もう‥‥それは来年のお楽しみって事にしといて。」
「ようし、約束したからな。とりあえず今日は秋物だな。」
「うふふ、唯ちゃんといずみちゃんに感謝しないと。」
「ん、なんか言った?」
「ううん、なんでもない。行きましょう。」


      で、いずみと唯がどうなったかというと‥‥

 『ちゅい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん‥‥‥‥』
 『ぎゃあぁぁぁぁぁっ‥‥‥!』

「いやぁぁぁぁっ‥‥‥!」
「い、いずみちゃんっ、抱きつかないでよ。」
「な、なんでよりによってホラー映画なんだ!」
「そりゃ、お兄ちゃんのことだから‥‥。あーあ、どうせならお兄ちゃんに抱
 きつきたかった。」
「わたしだって龍之介に抱きつきたかったよ! ‥‥ひぇ〜〜っ! 残酷っ。」
「大丈夫? 出ようか。」
「待ってくれ、腰が抜けて立てない。」

      【因果応報と言うやつである。】


                          『Lady Generation1』了


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